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口づけから、香りへ(雅歌1:3)

8月19日
読了時間: 2分

更新日:8月20日


「あなた香油は香り芳しく、


 あなたの名は、注がれた香油のよう。


 そのため、おとめたちはあなたを愛しています。」(新改訳2017)



最初は、


יִשָּׁקֵנִי

「彼が私に口づけしてくれますように」


その直後に


מִנְּשִׁיקוֹת פִּיהוּ

「彼の口づけをもって」


ここで身体が出て来る。


彼👉彼の口


そして、


כִּי־טוֹבִים דֹּדֶיךָ

「なぜなら、あなたの愛は・・」


三人称だった「彼」が突然、二人称になる。


「彼」👉「彼の口」👉「あなた」


そして、3節。今度は、


לְרֵיחַ שְׁמָנֶיךָ

「あなたの香油の香り」


口づけから香りへ。


身体感覚で見ると、


2節・・口。口づけ。味わうぶどう酒。


3節・・香り。香油。


口づけから香りへ。


感覚の景色まで変わっていく。



しかも3節最後には、


עֲלָמוֹת אֲהֵבוּךָ

「乙女たちはあなたを愛する」


と、乙女たちが現れる。


口づけられる「私」だけの近さから、


「あなたを愛する乙女たち」まで現れる。


景色が広がり始めている。


彼👉彼の口👉あなた👉あなたの香油


雅歌は人物紹介をしていないのに、感覚を通して「彼」が少しずつ近づいてくる。


יִשָּׁקֵנִי

彼が私に口づけしてくれますように

👇

פִּיהוּ

彼の口

👇

דֹּדֶיךָ

あなたの愛

👇

שְׁמָנֶיךָ

あなたの香油

👇

שְׁמֶךָ

あなたの名  


へ行く。


しかも、


שֶׁמֶן

(シェメン)=香油


שֵׁם

(シェーム)=名


音まで響き合ってる。


これは面白いね。


最初は「彼」だった。


それが口づけを願うほど近づき、「あなた」になる。


さらに「あなた」の何が良いのかと進んで


愛👉香油👉名


まで来る。


「名」は身体の一部分ではない。

その人を指し示すもの。


単に「いい匂いがする人」と言うところを超えている。


「あなたの名は、注ぎ出された香油」


ここで初めて、「彼とは誰なのだろう」という最初の問いにも、

本文自身が少しずつ近づいているように見える。


彼👉あなた👉あなたの名


これも面白い。


彼。

あなた。

あなたの愛。

あなたの名。


「名」まで来たのに、名そのものはまだ聞こえてない。


2節も、3節も、


語っている女性は彼を名前で呼ばないから。


朝の光の中、カップから芳しい湯気がゆっくりと広がる風景
注ぎ出された香油のように、あなたの名は、芳しく漂う。

 
 
 

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