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私たちはつくろう(雅歌1:11)

10月7日
読了時間: 3分

更新日:10月8日


前回のアイドルタイムで、


「主語の動きを追いかけてみる」


という視座を一つ持って、雅歌を歩いてみることにした。


誰が語っているのか。


誰に語っているのか。


単数なのか、複数なのか。


そして、どこで主語が切り替わるのか。


では、11節。

銀をちりばめた金の飾り輪を私たちはあなたのために作ろう。

ヘブル語を見てみる。


תּוֹרֵי זָהָב נַעֲשֶׂה־לָּךְעִם נְקֻדּוֹת הַכָּסֶף

(トーレー・ザーハーヴ ナアセ・ラーフイム・ネクッドート・ハッカーセフ)

 ※ヘブル語は右から読みます。


まず、目が止まったのは、


נַעֲשֶׂה

ナアセ   語根は、עשה

     アーサー「する・作る」Qal未完了、1人称複数。


     「私たちは作ろう」

あっ。


私たち。  主語が複数になった。 


9節では、דִּמִּיתִיךְ

    ディンミーティーフ

    「私はあなたを……になぞらえた。」1人称単数だった。


10節では、その「あなた」の、頬から首へと視線が近づいていった。


そして11節。


נַעֲשֶׂה־לָּךְ

ナアセ・ラーフ 私たちは、あなたのために作ろう。


「私」から、「私たち」へ。


主語が動いた。


では、この「私たち」は誰なのだろう。


……まだ、分からない。


というより、נַעֲשֶׂה から分かるのは「私たち」というところまで。


ヘブル語の動詞は、2人称、3人称では性の区別が現れる形があるけれど、


1人称には男性・女性の区別がない。


だから、


נַעֲשֶׂה


だけを見ても、男性たちなのか、女性たちなのか、男女を含むのか、


そこまでは分からない。


一方、その後には、


לָּךְ

ラーフ「あなたのために」


女性単数がある。


11節で、本文から確認できるのは、


私たち → あなた(女性単数)のために → 作ろう


ここまで。


……主語を追いかけ始めた途端、


本文が教えてくれるところと、教えてくれないところが見えてきた。


そして、


נַעֲשֶׂה

ナアセ


この音。どこかで聞いた。創世記1章26節。


וַיֹּאמֶר אֱלֹהִים נַעֲשֶׂה אָדָם

ヴァヨーメル・エローヒームナアセ・アーダーム


神は仰せられた。「われわれは人を造ろう。」


ここにも、

נַעֲשֶׂה

ナアセ


同じ語根 עשה。同じカル未完了。同じ1人称複数。


創世記では、「われわれは……造ろう」


雅歌では、「私たちは……作ろう」


もちろん、これだけで雅歌1章11節が創世記1章26節を指している、とは言えない。


今のところ確認できるのは、


同じ נַעֲשֶׂה が、ここにもあるということ。


なんだか面白いところに出会った。


そして、もう一度10節を見る。


10節には、

בַּתֹּרִים

バットーリーム「飾りで」


11節には、

תּוֹרֵי זָהָב

トーレー・ザーハーヴ「金の飾り」


10節の「飾り」が、11節にも続いている。


ことばは、つながっている。


でも、主語は動いた。


9節の「私」から、11節の「私たち」へ。


誰なのかは、まだ分からない。


だから、今は名札をつけないでおこう。


分かっているのは、


「私たちは、あなたのために作ろう。」


主語が動いたということ。


雅歌8章まで、この主語の動きを追いかけてみる。


今日は、


נַעֲשֶׂה

「私たちは作ろう」


ここに、鉛筆で丸をつける。⭕✏️


緑豊かな森の中で、一本の道が左右二つに分かれている風景。
あれ? 『私』から『私たち』になった。主語を追いかけていたら、道が分かれた。

 
 
 

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