あなたの後から(雅歌1:4)
「私を引き寄せてください。
私たちはあなたの後から急いで参ります。
王は私を奥の間に伴われました。
私たちはあなたにあって楽しみ喜び、
あなたの愛をぶどう酒にまさってほめたたえます。
あなたは心から愛されています。」(新改訳2017)
4節冒頭の原文
מָשְׁכֵנִי אַחֲרֶיךָ נָּרוּצָה
(モシュヘーニー・アハレーハー・ナールーツァー)
※ヘブル語は右から読みます。
「私を引き寄せてください。 あなたの後を私たちは走ろう。」(直訳)
מָשְׁכֵנִי
(モシュヘーニー)「私を引いてください/私を引き寄せてください」
משׁך
— 引く、引き寄せる
־נִי
— 私を
אַחֲרֶיךָ
(アハレーハー)「あなたの後を/あなたについて」
נָּרוּצָה
(ナールーツァー)「私たちは走ろう」
3節では、
乙女たちはあなたを愛する。
と「乙女たち」が登場した。
4節になると、
「私を引き寄せてください。
あなたの後を、私たちは走ろう。」
「私」から「私たち」へ動く。
これはかなり目立つ。
そして突然、「王」が初めて出る。
הֱבִיאַנִי הַמֶּלֶךְ חֲדָרָיו
(ヘヴィーアニー・ハンメレフ・ハダラーヴ)
※ヘブル語は右から読みます。
「王が私を、その奥の部屋へ連れて来た。」
ここで、「הַמֶּלֶךְその王」が出て来る。
(ハンメレフ)
3節で、
彼👉あなた👉あなたの名
と、名まで来たのに、名そのものはまだ聞こえない。
「では、この人は誰?」・・
4節でも、名前はまだ出ない。
しかし、今度は、
「王」
という呼び方が現れる。
「王」って誰?
後半は、
נָגִילָה וְנִשְׂמְחָה בָּךְ
(ナーギーラー・ヴェニスメハー・バーフ)「私たちはあなたを喜び、楽しもう」
נָגִילָה
(ナーギーラー)— 私たちは喜ぼう
וְנִשְׂמְחָה
(ヴェニスメハー)— そして私たちは楽しもう/喜ぼう
בָּךְ
(バーフ)— あなたを/あなたによって
さらに
נַזְכִּירָה דֹדֶיךָ מִיַּיִן
(ナズキーラー・ドーデーハー・ミッヤーイン)
「私たちは、ぶどう酒よりもあなたの愛を語ろう/たたえよう」
נַזְכִּירָה
「思い起こす・言及する・語る」などに取られる。
נַזְכִּירָה
(ナズキーラー)— 私たちは覚えよう/思い起こそう
דֹדֶיךָ
(ドーデーハー)— あなたの愛
👉そして ここは2節のכִּי־טוֹבִים דֹּדֶיךָ מִיָּיִן
「あなたの愛はぶどう酒よりも良い」を受けています。
2節:あなたの愛 > ぶどう酒
4節:ぶどう酒よりも、あなたの愛を思い起こす
という響きが聞こえて来る。
מִיַּיִן
(ミッヤーイン)— ぶどう酒よりも
さらに人称が揺れる。
冒頭の「私」が「私たち」へ移動する。
私を引いて
👇
私たちは走ろう
👇
王が私を部屋へ連れて行った。
👇
私たちは喜ぼう。
👇
私たちは楽しもう。
👇
私たちはあなたの愛を語ろう。
単数⇔複数の動きもある。
では、「私たち」は誰?
3節で二人だけだった景色に乙女たちが現れて、景色が広がり始めて・・
その直後に、
私👉私たち なる。
あれ?
「私を引いて」だったのに、
次の瞬間には「私たちは走ろう」になっている。
いつの間に、「私」が「私たち」になったのだろう。
3節では、香り、名、乙女たち。
4節では、引く、走る、連れて来る、喜ぶ、楽しむ、語る。
実際に動詞が連なって来た。
3節で広がり始めた景色が、4節でとうとう動き始めたよう・・。





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